B上手な住宅ローンの利用法をお知らせします。
営業: 今だとJAの安心計画がお客様にとって最もお勧めの住宅ローンだと思われますので、
シミュレーションを作ってみました。融資条件もすべてクリアされていることですし…。
お客様: うちの会社には社内融資制度があるから、それを使おうと思っているのだけどね。
社内融資制度でございますか?
そう、社内融資。金利が安いからみんな借りているし…うちも借りようかと思ってね。
そうですか。住宅ローンについては、ぜひ今から申し上げることを参考にしていただきたい
と思うのです。なぜならば、無事に住宅購入されたあとも、ずっとご家族安全に、
豊かに暮らしていただきたいと思うからです。
社内融資だと問題があるわけ? みんな借りてるけどな〜。
多数の方が借りられている住宅ローンが必ずしも正しいとは限らないのです。
…というと? どういうことなの ?
はい。住宅ローンをご検討される際には、安全かつ有利な住宅ローンを選ぶことと、
今から申し上げる 3つのポイントを必ず守っていただきたいのです。
3つのポイント?
はい。順番に申し上げますと、
●頭金は積まない、
●繰り上げ返済はしない、
●最長の住宅ローンを組む、
ということです
― @頭金は積むな! ―
住宅購入に関する書籍は数多く出版されている。一方で、月刊誌から週刊誌に至るまで
メディアは一般受けする住宅に関する話題には事欠かない。したがって住宅を購入しようと
されるお客様の中で、知識がないままモデルルームや展示場を訪れるという方は皆無と
考えて良い。ただし、正しい知識かどうかはまったく別問題ではあるが…。
結論から申し上げよう。お客様の中には頭金がないから、もしくは頭金に相当する金額は
持っているがこれを出してしまうと住宅購入後、子供の教育資金を含めて生活が、手元資金が
不安だから、もう少しお金を貯めてからにしたほうが良い、と大きな間違いによって
住宅購入を先延ばししている方が意外にも多いということをぜひ知っておいていただきたい。
これはひとえに、.方通行な言わば『正しいけれど』『正しくないかもしれない』知識を
知らない間に ?お客様が分別することなく得た結果と言えよう。
つまり、目にした知識はすべて自分にも当てはまると思い込んだ結果なのである。
住宅購入において頭金を積む ! ことは、いわば常識とされている。
しかし正しい知識なのであろうか?もちろん金融機関の貸出基準によってどうしても頭金を
積まなければならない場合は別として、頭金を積むということを、言い換えれば従来、
我々は損得勘定で判断を行ってきた。得なことはしても良いことで、損なことはしては
いけないこと、といったように。頭金を積むという行為は間違いなく「得」である。
ここで最も大切なことを見失ってしまうことになりがちである。それは何か?
というと「危険」「リスク」である。住宅ローンはそのチョイスさえきちんと行えば、
あとは「損得」よりも「リスク」を優先すべきである。損なことでもしなければならないこと
がある、ということ。では、もう少し掘り下げてみよう。
もしお客様がたくさんの現金をすでに預貯金等で持っている場合などでは、当然頭金は
積むべきである。贈与資金も含めて、しかるべき手元資金を残して。
ところが、現在マンションであろうと一戸建てであろうと、ご検討されている方々は、
手持ち資金に乏しい若年層が大半ではなかろうか ?したがって検討はされるものの、
結果的には、手持ち資金を出すことによって住宅購入後の手元資金に不安が残るためもう少し
頭金を貯めてからにしたほうが良いのではないか?とお考えになり、なかなかクロージングに
至らない。これは、頭金を積まなくてはいけないという考え方に基づいた考え方。
金融の自由化以降、銀行をはじめとした金融機関の中には、l00%ローンという貸し方
すらある。
頭金とは、そもそも金融機関の保全のための条件といった意味合いがある。
したがって、どうしても積まなければならないものとは考える必要などないのだ。
要は、家計における健全な年返済率さえ死守すれば、頭金など必ずしも積む必要がない。
話を戻すと、むしろ頭金を積むことがリスクになることが多い。
なぜなら、その理由はひとつ。
住宅は手に入っても手元資金が乏しくなる、もしくはなくなってしまうということ。
これは、「ローン」より「リスク」である。たとえば頭金を積まなければ「損」と考え、なけなしの
資金を全額かき集め住宅購入に踏み切ったとしよう。
その後に起こる「リスク」を考えられたい。まず、債務者…おおむねご主人か? にもしもの
「万一」があった場合。これは,全く「リスク」ではない。
ご存知のように「団体信用生命保険」に加入しているはずであるから。住宅金融公庫
(以下、公庫)の場合のみはその加入に関し任意ではあるが、90%以上の方が加入されているのが
である。これによって「万一」があった場合には住宅ローンは完済される仕組みになっている。
現状だから、「万一」は「リスク」ではない。
では次に「リストラ・倒産・減給」等はいかがなものか? 
金融機関によって取り扱いはさまざまであるが、公庫の場合では、返済ができるようになる
までの救済処置が準備されている。これも「リスク」ではない。
では、いったい何が「リスク」なのか? 答えは「病気等」ダラダラ寝込んでしまう「リスク」
である。これに関しては公庫ですらも対応がない。
住宅ローンに関して最も危険なのは「病気等入院」なのだ。
ここでは頭金を積むなという話をしている。それでは、「病気等入院」がなぜ「リスク」なのか?
頭金を積むことによって手元資金が乏しくなり、そこで債務者が寝込んでしまった場合、
結局、頭金を積んだことがアダになってしまう。
その間の住宅ローン返済に治療代、家族の生活資金、子供の教育資金…。
頭金で積んだ資金の一部を返してほしいと言っても、それには一切応じてはくれない。
もうお分かりいただけたと思う。
頭金を積まないで手元に資金を残しておけば、この現金で災難等は切り抜けられる、
というわけだ。今や金融機関は債務者に対し返しきれないような無理な貸付は一切しない。
「借りられる」ということは「返せる」住宅ローンと知るべし、なのだ。
ということは、安全な住宅ローンであれば借りられるだけ借りて、借りられない
不測の事態に備えて手元資金は取り置く。いつでも使えるよう残高にしておく。
この考え方が必要なのである。このように考えれば、住宅購入希望者の底辺はもっと広がる。
何より、住宅購入の時期の決め手は頭金の「ある」「なし」ではなく、住宅ローン金利であること
に絞り込めるのである。
― A繰り上げ返済は絶対にするな ! ―
まだ住宅購入をされていないお客様の中に多いのが「住宅を購入したら『繰り上げ返済』
をしなければならない」と思い込んでおられ、それがある種プレッシャーとなり、
住宅購入に向けた意思決定ができない方…意外にも結構居られるものである。
こういったお客様にはどういった視点でアドバイスをすべきなのか ? 
ここで解説することにする。
まず、繰り上げ返済などは絶対にすべきではない、ここから申し上げたい。
この繰り上げ返済は絶対にすべきではないに関しては最低でも3つの前提条件がある。
●サラリーマン世帯である
●子供の教育資金がこの先まだ必要である
●イザ、というときに使える資金がない、もしくは少ない
どれかひとつでも該当する項目があるなら繰り上げ返済は絶対にすべきではない。
さらに、現在のような低金利を背景に完全固定金利で組んだ住宅ローンに関しても
繰り上げ返済は絶対にすべきではないのだ。
ではその理由を説明することにしよう。理由は2つある。
まずひとつ目の理由から。住宅ローンはきちんと選び、リスクを考えたら、住宅ローンとは
考えない、生命保険と考えるべきなのである。つまり分かりやすく言えば、
債務者に万一のことがあった場合には、その残債は完全に消える。
完済される仕組みになっている。本著でも何度か触れているように住宅ローンには
団体信用生命保険がついているからだ(住宅金融公庫等は任意)。
そうであれば、例えば目いっぱい無理して頭金を積み、手元資金もなく、ようやくできた
まとまった資金も繰り上げ返済に回してしまったとしたら…
住宅は手に入れられても日常的な資金不足に人生を楽しめないということにもなりかねない。
そして極めつけが、頭金の繰り上げ返済の結果、手元資金不足の中で債務者である
ご主人に万一の事があったら ? 変な言い方かもしれないが、頭金で積んだ資金も
繰り上げ返済に回した資金も一切返ってはこない。
もし、繰り上げ返済等せずに手元に資金を持ちながら徐々に住宅ローン返済をしていた
としたら、住宅ローンはなくなり、手元資金も残る。これでご理解いただけたかと思うが、
まとめて返さなくても住宅ローンは生命保険なのである。
きちんと選んでリスクを考えた住宅ローンならば、月々決まった金額をきちんと返済
していくのがベストなのである。また、2つ目の理由であるが、繰り上げ返済をしても
今日、明日の生活には何の得もなく、かえって繰り上げ返済をすることによって手元流動性
がなくなり生活不安になりかねない、ということも理解しておくべきであろう。
このようはことを踏まえれば、繰り上げ返済はしないほうが良いということがお分かりい
ただけたと思う。しかしながら、この考え方は、あくまでも先に述べた3つの前提条件
を満たしている方、そして低金利を背景に完全固定金利で住宅ローンを組んでいるからこそ
できうる考え方であることは再度強調しておきたい。
もし、それでも繰り上げ返済をしたいというお客様がいたら、繰り上げ返済は一生に一回、
定年退職の日のみ行っても良いとアドバイスして差し上げると良い。
なぜなら、定年退職の日であれば誰しも、これまでに作ってきた預貯金額も決定していれば、
退職金額も決定しているはずであるし、年金受給額でさえも当然決定しているはずである。
そこに住宅ローンの残債までも決定している。ということは繰り上げ返済しても
その後の生活に支障をきたすかどうかは、簡単に足し算、引き算で答えが出るはずだ。
損得よりも実生活を考えた資金計画をアドバイスしていただきたい。
そうすることによってお客様との信頼関係は必ず深くなる。
その結果、ご契約をいただける。自分の勝手な押し売りよりも
お客様の住宅購入意欲に対して購買支援をして差し上げることが、
何よりも必要なことである。無駄な売り込みなどかえってあだになる。必要ないわけだ。
ちなみに繰り上げ返済すべき人、とは?
●資産があり、近いうちにそれを売却等することにより、その資金を取り置くことなく
繰り上げ返済に回せるという方
●換金できる資産が遠くない期間に相続等で必ずもらえる確信のある方
●ダブルインカムやお子さんが居られない等、資金に余裕のある方
といったところか。
しかし、何をおいても変動金利で住宅ローンを組まざるをえない方は、繰り上げ返済を
していかなければ、かえって危険と言えるでしょう。現在の時点では、長期固定で
資金計画を立てるべき時代背景であることは確かなことです。
なるほど、@Aについては目からウロコですね。とても良く理解できました。
残るB最長の住宅ローンを組む、ということに関してご説明申し上げますと、
25年と35年の住宅ローンがあったとしましょう。両方とも同じ借り入れ金額条件で、
ローン期間だけが25年と35年。
うん。
月々の返済額は25年が10万円で35年だと8万円。この場合どちらが得か ? で言えば
間違いなく25年でしょう。しかし、もっと深く掘り下げて、10万円の返済を余裕を持って
支払えるか ? で考えた場合、この10万円を支払うことによって貯蓄もできなければ、
支払うだけで目いっぱい!こんなんじゃ、とても危険(リスク)を伴ってしまいます。
だからこそローンを、もっと言えばローンの期間を利用するのです。
ローンの期間を利用する ?
そうです。そのとおりです。初めから25年という短い期間で組むのではなく、お客様の場合
には35年という最長のローン期間が取れますから、35年を利用すべきです。そうすれば貯蓄
もできないキツイローンではなく、ローンの期間を利用することで、先の例で言えば2万円
の余裕ができる。
そうか!?。損得や定年後の住宅ローンを気にするがあまり家計をあまり考えていなかった
けれど、団体生命保険がついているから万一だって恐くないわけだし、ローンの期間を利用
して支払いやすさを優先するって発想もできるわけですね。
ローンをうまく利用する。ローンに利用されてはいけませんが…。
でも、やっぱり定年後の住宅ローンの支払いが心配だなあ。
ですから、ローンの期間を利用することでできた余裕で貯蓄をし、定年退職と同時に貯蓄残高
に支障がなければ完済してしまう、という考え方をされても良いわけですよね。ローン返済中
の余裕は精神的にもとても大切だと思います。
よく分かるよ。余裕がないから、もっと先でマイホーム購入に踏み切ろうか ?
と考えていたくらいだからね。
社内融資制度に話を戻させていただきますと、社内融資は社員に対しての福利厚生の一環
です。つまり、定年時に一括返済が義務になっているものが大半で、そうであれば退職金
と相殺という解釈にもなる。金融機関で35年もしくは75歳まで、公的融資で35年もしくは
80歳まで借りられることと比較すると、おおむね60歳までしか借りることができない
社内融資は、最も短い住宅ローンとなるわけです。
とてもよく理解できました。みんなが借りてるから…って、ある種の集団心理は危険ですね。
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